シリコン貫通電極(TSV)ビアフィリングの基本

銅めっき液はCuSO4、H2SO4が主成分でこの他に数種類の添加物(Additive)が入っている。

めっきを促進させるのは促進剤(Accelerator)で、ポリマー系の物質が使われている。

また、めっきの成長を抑制するのは抑制剤(Inhibitor)でPEG(Polyethylen Glycol)などがある。

レベリング剤はJGB(ヤヌスグリーン)などでめっきの表面を平滑にする。

 

 

 

 


抑制剤のメカニズム

  • 抑制剤の吸着は電流が高い所や、めっき液の撹拌が強い所に吸着しやすい特性を持っている為、ビア表層(外側)に多く析出します。
  • 基板表面の電析反応が抑制され、凹部へ優先的にめっきが析出します。

促進剤のメカニズム

  • 銅表面に均一に吸着します。
  • めっき皮膜に共析せず、めっきの成長に伴い表面積が小さくなる凹部では吸着密度が高まり、凹部の電析反応が促進される。

レベリング剤

  • 塩素イオンとの相互作用により陰極界面に単分子膜を形成し、銅の析出を幅広く抑制する。

めっき印加電圧

  • ビアフィリングめっきで印加する電圧も影響する事がある。電流値、波形、逆パルスなど、いずれもめっき加工に適した条件が必要。

埋め込みの成長過程

  • 添加剤調整、めっき条件が取れていないと銅の成長を抑制出来ず、ビア上部が銅の成長により塞がり、ボイドとなる。

 

  • 添加剤をコントロール制御する事で、ビア底部より滑らかなカーブを描いて成長し理想的な埋め込が実現できる。

★シリコン貫通電極(TSV)ビアフィリングで重要な要因

  1. めっき装置(撹拌方法、電気印加方法、設備構造)
  2. めっき液種類(金属濃度、添加剤濃度、割合)
  3. ウエハ毎の穴径、深さ、面内率

  ※上記3つのポイントを見極める事が必要不可欠である。